【5分で分かる】キャリア・アンカーの8つの分類とは?

北宏志

あなたが仕事をしていく上で、これだけは譲れないというものはありますか?

せっかく仕事をするならば、とことん上を目指したいという人もいれば、プライベートを大切にしたいという人もいるでしょう。人のために働くことが大切という人もいれば、独立して自分の力でキャリアを築きたいという人もいます。

このようなキャリアを築く上で重視している価値観を示す言葉が“キャリア・アンカー”です。今回のブログではこのキャリア・アンカーについてお話をさせていただきます。

目次

キャリア・アンカーとは?

キャリア・アンカーとは、アメリカの組織心理学者であるエドガー・シャインが提唱した概念で、仕事をしていく上で絶対に譲れない価値観や欲求を指しています。仕事を意味するキャリアと、船の錨(アンカー)を組み合わせた造語で、年齢や環境の変化といった要因に左右されることはあまりない内面的な価値観だといわれています。キャリア・アンカーは8種類に分類されていますので、早速見ていきましょう。

キャリア・アンカーの8つの分類

・管理能力

このタイプは、組織の中で責任ある役割を担うことに価値観を置いています。経営者やマネージャーになることを望んだり、組織を動かしていくような立場につくことにモチベーションを感じたりする人をイメージすると分かりやすいでしょう。キャリアアップをしていくための人事異動にも積極的であり、資格取得にも前向きなタイプです。

・技術的・機械的能力

このタイプの人は、自分の持つ専門性や技術を追求していくことにやりがいを感じます。専門分野に関するスキルを磨き上げていくことに意義を見出すタイプなので、マネジメントを任されたり、専門分野外の業務を担当したりすると、モチベーションが下がってしまう場合もあります。

・安全性

安定的に1つの組織に属することを重視するのがこのタイプの人です。将来性が担保されている大企業や公務員といった職場を選ぶ傾向にあります。環境が変わることが苦手な場合が多く、度重なる異動にストレスを強く感じるともいわれています。また、このタイプはあまり転職を望まないという特徴もあります。

・創造性

このタイプは、クリエイティブに新しいことを生み出すことに意義を感じます。起業家や芸術家、発明家タイプですね。組織に所属していても、最終的には独立を目指す傾向にあるといわれており、組織内においては社内の新規プロジェクトなど、新たな刺激を受けやすいポジションに属していると、その才能を発揮できます。

・自立と独立

自分で独立することを重視するこのタイプの人は規律を求められる組織に所属して働くことよりも、自分のペース・やり方で仕事を進めることに向いている研究職タイプです。組織に所属する場合、比較的に個人の裁量が認められているような職場が良いでしょう。反対に、集団行動や組織のルールを強く求められるような環境に身を置かれた場合、退職しやすいともいわれています。

・奉仕・社会献身

社会を良くしたり、他人に奉仕したりすることを重視するのがこのタイプです。医療や看護、教育といった分野に適しています。企業で働く場合には、福利厚生部門のほか、不正を見逃せない傾向にある人が多いため、内部監査部門などでも活躍できるタイプだといわれています。

・純粋な挑戦

このタイプは、解決困難な問題に挑戦することにモチベーションを感じます。さまざまなことに挑戦することに生きがいを感じるため、企業においても、人事異動に伴う新たな業務へのチャレンジにも積極的です。一方、淡々と同じ業務をこなすルーティーンワークがメインの業務ではあまり力を発揮できないかもしれません。

・ワーク・ライフバランス

ワーク・ライフバランスタイプは、個人的な欲求と、家族と、仕事とのバランス調整をすることを大切にします。仕事はきっちりと進めるものの、過度の残業があるような業務は拒否感を示す傾向にあるといえます。在宅勤務体制やフレックス勤務といった環境が整った企業での勤務を重視するのも、このタイプの特徴です。

企業にとってのキャリア・アンカー

ここまでキャリア・アンカーの8つの分類を見てきました。それぞれのタイプによって、重視する価値観が大きく異なることが分かりましたね。では、個々人のキャリア・アンカーを知ることが企業にとってどんな意味があるのでしょうか?

その答えはとても明快。キャリア・アンカーが分かれば、社員のモチベーションの維持や離職率の低下につなげることができます。

上述したように、キャリア・アンカーのタイプによって、マネジメント志向が強い人や安定傾向の人、異動に対する苦手意識のある人や、ルーティーンワークにモチベーションを感じない人などを大まかに把握することができるため、社員のタイプにあわせてキャリアプランを形成していくことが可能です。

結果的に、社員が重視する価値観を尊重し選択が行えるようになるため、モチベーションを維持することができ、離職を防ぐことにつながるのです。

新入社員とキャリア・アンカー

最後に、キャリア・アンカーの考え方のポイントとなる部分を一つお伝えしておきます。それは、キャリア・アンカーはキャリアを築いていく上で形成されるものであるということ。逆に言えば、社会に出たばかりの新入社員にはまだ、キャリアにおける自分が重視したい価値観は芽生えてはいないのです。

社員研修を担当されている方は、新入社員研修の段階からキャリア・アンカーを意識した教育を行っていくことで、社員の成長段階からその価値観を把握することができるという点を覚えておくと良いでしょう。

今回は、キャリア・アンカーの8つの分類についてお伝えしました。一度社会に出てしまえば、キャリアとは縁を切ることができません。だからこそ、自分がどんなことに価値観を置いているのか、社員はどんなことを重視して働いているのかを知っておくことが大切。

皆さんも一度、キャリア・アンカーについて考えてみてはいかがでしょうか。

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