経営者が確認しておきたい、企業におけるLGBT対応の重要性

今回テーマに取り上げるのは、企業におけるLGBT対応です。

先日ちょうど、ある企業の経営者さまとお打ち合せの席でこんな話題になりました。ユーザアンケートを実施するためアンケートフォームを作ったところ、社内のスタッフから「性別欄に男性と女性しかないのは良くないのではないか」という指摘が入ったそうです。

経営者さまとしては“言われてみればそうだよな。今はそういう時代だし……”と感じフォームの修正は行ったそうですが、「とはいえ、うちの会社は十数人しかいない小さな会社で、(LGBTに該当するような人は)いないと思うんだよな」とおっしゃっていらっしゃいました。

北宏志

果たして本当にそうなのでしょうか?

電通ダイバーシティラボやLGBT総合研究所などの調査では、日本国内においてLGBTを自認している人は人口の約8%前後という結果も出ています。

現代において、社内外に対するLGBT対応は企業の責任の一つなのです。

目次

LGBT対応の指針になるPRIDE指標とは?

では具体的に、企業はどのようなLGBT対応に取り組むべきなのか。その指標となるのが、任意団体「work with pride」によって2016年に策定された“PRIDE指標”と呼ばれるガイドラインです。PRIDE指標は次の5つの頭文字を組み合わせたものです。

Policy(行動宣言)

Representation(当事者コミュニティ)

Inspiration(啓発活動)

Development(人事制度、プログラム)

Engagement / Empowerment(社会貢献・渉外活動)

PRIDE指標は2016年の策定以降、2017年には評価項目の細分化、2019年、2021年には加点方法の見直しと、どんどんと進化しています。では早速、その内容を見ていきましょう。

Policy(行動宣言)

会社としてLGBT等の性的マイノリティに関する方針を明文化し、インターネット等で社内・外に広く公開しているか

Policyが示すものは、企業がLGBTに対する宣言を公開しているかという点です。具体的には、方針に性自認という言葉が含まれているか、従業員の行動模範として定めているか、経営トップが社内外に対し方針に言及しているかといった項目があります。

Representation(当事者コミュニティ)

当事者・アライ(支援者)に限らず、従業員が性的マイノリティに関する意見を言える機会を提供しているか。また、アライを増やす、顕在化するための取り組みがあるか

Representationでは、社内にコミュニティ(LGBTQAネットワーク等)があるか、社内外を問わず当事者が性的思考または性自認に関連した相談をすることができる窓口を設けているか、無記名の意識調査で性的マイノリティの意見も統計的に把握できるようにしているかといった項目があります。

Inspiration(啓発活動)

過去2年以内に、従業員に対して、性的マイノリティへの理解を促進するための取り組みを行っているか

Inspirationで主に挙げられているのは、人事部門や管理職だけでなく、全従業員への研修や教育が行われているかという項目があります。また、その他の啓蒙活動として、ニュースレターやポスターなどのコミュニケーション手段を利用した社内啓蒙活動、本社・本店だけでなく事業所やグループ会社単位での取り組みができているかという点も項目に入っています。

Development(人事制度、プログラム)

結婚休暇や慶事祝い金などの支給金などの制度が、婚姻関係の同性パートナーがいると申請した従業員およびその家族にも適用されているか。従業員の性別の扱い、ジェンダーフリーのインフラ整備などができているか

Developmentは、社内の人事制度やプログラムが当事者およびその家族にも適応されているかが主な項目です。また、ジェンダーに関わらず利用できるトイレや更衣室などの整備、性適合手術等への治療の補助といった項目もあります。

Engagement/Empowerment(社会貢献・渉外活動)

LGBTへの社会の理解を促進するための社会貢献活動や渉外活動を行っているか

Engagement/Empowermentは、LGBT理解促進のイベントの主催や協賛、LGBT理解促進のための次世代教育支援といった項目があり、社外に対してどのような活動ができているかがポイントです。

経営者・リーダー層が率先して取り組むべきLGBT対応

ここまで、PRIDE指標という企業のLGBT対応のためのガイドラインを見てきました。企業にとって、LGBT対応は現在では必要不可欠なもの。LGBTやダイバーシティの理念を企業に浸透させていくために、率先して旗を振るべきなのは、組織の経営者やリーダー層の方たちです。

前述したような“うちはあまり関係ない……”という姿勢では、大きなリスクにつながる可能性もあります。

弊社では特に、Inspiration(啓発活動)の項目にある企業向けLGBT研修のお手伝いをさせていただいておりますので、ぜひお気軽にご相談ください。

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