新入社員が4月に入社してから約4か月。夏休みも目前に迫りましたが、
新入社員たちのモチベーションは維持できていますか?
新入社員だけではありません。長年仕事に携わっているメンバーたちはどんなことに意義を感じて、業務に携わっているのでしょうか?
今回は“働きがい”を見つける方法の一つとして知られるジョブ・クラフティングについてお話させていただきます。
ジョブ・クラフティングとは?
仕事に対する姿勢を“やらされている”から主体的にさせることを、ジョブ・クラフティングといいます。仕事に対する考え方ややり方、仕事の範囲などを変化させることで、働きがいを見出すことができるといわれています。
ここで一つ余談です。
先日Twitterで話題になっていたツイートにこんなものがありました。
NASAを訪問した大統領が清掃員さんに
「何をしているのですか?」とたずねたところ、
「人類が月にたどり着くために働いているのです」と答えた。
このエピソードを読んで、仕事をどうとらえるかで働きがいが大きく変化するものであると改めて実感しました。もしもこの清掃員さんが“お金のため”とか“仕事だから”という風に考えていたら、仕事に対するモチベーションはまったく異なっているでしょう。
さて、本題に戻りましょう。ジョブ・クラフティングには “仕事のとらえ方” “仕事の方法” “人間関係” の3つのアプローチがあります。早速それぞれを見ていきます。
仕事のとらえ方
これは先ほどのエピソードを考えれば、その重要性をあえて説明する必要はないでしょう。企業内においては、例えばルーティーンワークの多い事務や総務といった立場の人が“雑用が多い”と思いながら業務を行うよりも、“この仕事が会社を支えているんだ”と考えて業務を行う方が主体的に仕事を行うことができるというようなイメージを持っていただけると分かりやすいかと思います。
仕事の方法
仕事の方法や内容の変化も、ジョブ・クラフティングにおける重要なアプローチの一つです。毎日同じことだけを続けていれば、飽きたり、モチベーションが下がったりすることは容易に想像できますね。これは職場内における異動といった大きな変化だけではなく、日々の一つひとつのタスクに対する変化でも構いません。少しの変化でも、自身で創意工夫して生み出したものであれば、大きな成長につながります。
人間関係
これも言わずもがなではありますが、職場内での人間関係がピリピリしていたり、常にいさかいが絶えなかったりするような状況では、仕事へのモチベーションを発揮することはできません。逆に、人間関係の風通しが良く、“このメンバーのために仕事をしよう” “この人たちが働きやすいようサポートしよう”という気持ちを持てる環境であれば、仕事へのモチベーションを常に維持・向上させることが可能です。
ジョブ・クラフティングの方法と注意点
ジョブ・クラフティングを実践する方法として、以下のステップがあります。
- 業務の洗い出し
- 動機・情熱・強みの書き出し
- ①、②を踏まえた、変革の実践
上記のステップの取り入れ方については随時レクチャーをさせていただきますので、下記までお気軽にお問い合わせください。
一方で、ジョブ・クラフティングには注意点もあります。
一つ目は仕事の属人化です。働きがいを見出した社員がどんどんと主体的に変化を遂げていくこと自体は良いことなのですが、あまりにも個人に頼りすぎてしまうと、仮にその方が辞職をしてしまった場合、業務が停止してしまう可能性も。そのバランスは、上司やメンバーたちがコミュニケーションをとって調整をする必要があるでしょう。
二つ目は“やりがい搾取”にならないようにすること。ジョブ・クラフティングはあくまでも社員側が主体的に変化していくステップです。会社や上司から与えられた“やりがい”にならないよう、環境作りをすることも大切です。
今回は、働きがいを見出す方法であるジョブ・クラフティングについてお話をさせていただきました。
一つのタスクに対するとらえ方が変化するだけで、自身も周りも大きく変化・成長することができるジョブ・クラフティング。一度、ルーティーンワークの手を止め、働きがいについて考える時間を設けてみるのも良いかもしれませんね。