突然ですが皆さんは若い頃、仕事ができていましたか。
この質問に迷いなく「できていた」と答えられる人は、私も含め、そう多くはないのではないでしょうか。
若い頃は誰しも、すぐに仕事ができる訳ではありません。
にもかかわらず、「最近の若者は仕事ができない」と非難してしまうのは、少し理不尽ですね。
若者は仕事ができなくて当たり前という気持ちを前提に、ではどう教育すれば彼らが上手く育つのかを考えていきましょう。
仕事ができるとは
まず考えたいのは、仕事ができるとはどういう状態なのかということ。
ミスがないこと?
たしかに一理ありますが、どんなに仕事ができる人でもミスは起こり得るものです。
どちらかと言えば、ミスをうまくカバーできる人の方が、仕事ができる気がします。
あるいは、1つひとつ指示を出さなくても、自分で考えて動けること?
これはまさに仕事ができる状態でしょう。
さらに加えていえば、クオリティ高くできることも、仕事ができる状態の定義の1つかもしれません。
では、それを若者たちに少しずつ目指してもらうために、マネジメント層ができることとは何なのでしょうか。
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目的と方法を丁寧に伝える
若者たちの指導・教育で最も大切なのは、その仕事の目的と方法を丁寧に伝えることだと、私は考えています。先日ある飲食店で、今日がアルバイト初日という雰囲気のスタッフと、店長さんとの会話を耳にしました。
「13時半を過ぎたら、ランチタイムのお客さんはほとんどいなくなるので、ディナーの営業のために、グラスを片付けてください。洗い終えたグラスは、この棚の半分の高さまで並べておいてね」
「ディナーの前までにテーブルにあるお箸を補充してください。お箸はケースの2/3くらいまで入れておいてね」
店長さんの指示は非常に丁寧です。
「13時半を過ぎたら」「ディナーの前までに」と時間に関する指示も入っていますし、「ディナーの営業のために」という目的も明確です。
中でもとても良いなと感じたのが「この棚の半分の高さまで」「ケースの2/3くらいまで」という目安が的確に示されていたこと。
「グラスを並べておいて」だけでは、どのくらいの数を並べれば良いのかわかりませんし、「お箸を入れておいて」だけでは、パンパンまで詰めた方が良いのか、テーブルに座れる最大人数分で良いのか、悩んでしまいます。
これは比較的わかりやすい事例ではありますが、仕事を始めたばかりの若者は「正解は何もわかっていない」状態であることを考えれば、これくらい丁寧な説明が必要だということでしょう。
オフィスワークの場でも同様です。
実際、「書類をつくっておいて」と言うだけの指示では、上司が求めるレベルも何もわかりませんよね?
結果として提出されたものに不満を持ち、「若者は仕事ができない」と考えてしまうのは、あまりにも理不尽です。
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仕事を任せるフェーズでも、丁寧さが鍵
若者が仕事を少し覚えた段階で、次に進むためには、仕事を任せていくことが必要になります。
ここでも鍵になるのは丁寧さです。
「いつの間にか自分の仕事になっていた」というスタイルももちろん良いのですが、私の場合、「今日からこの仕事はあなたに任せます」という言葉を明確に伝えるようにしています。
これは責任の譲渡と期待を表すための一言です。さらにいきなり全てを任せるのではなく、初めてその仕事をした時と同じように、あるいはそれ以上に丁寧に、もう一度やるべきこと、正しい方法、ゴールを明示するようにしています。
誰でも初めて一人で何かをする際は不安がつきものです。
その不安や小さな疑問点を1つずつ解消し、若者が安心して取り組める、こちらも安心して任せられる状態をつくることまでが、マネジメント層の指導・教育という仕事なのではないでしょうか。
今回は、若者が上手く育つために必要なことについて、私なりの考えをお伝えしました。
少しでも参考になれば幸いです。