皆さんは人から聞いた話や浮かんだアイデアをどんな風にインプットしていますか?
メモを取ってテキスト化すると覚えやすい人、映像が頭の中で流れる人など、人によって、いろいろな記憶を定着させる方法を実践していることでしょう。
そして、インプットした事柄をどんな風にアウトプットしていますか?
これも、テキスト派やビジュアル派など、いくつかの方法が浮かびますね。今回取り上げるのは、インプット・アウトプット方法の一つである図解思考です。新入社員が覚えておくと、仕事にすぐに使える便利な方法でもあるので、ぜひ参考にしてみてください。
図解思考とは?
図解思考は、物事を“図”でとらえる思考を指しています。図と聞くと、なんだか難しそうだなと感じる人もいるかもしれませんが、実際は四角と矢印、短いテキスト程度の簡単なもので構いません。
早速試してみましょう。
取引先(仮に、●●株式会社とします)との商談の席で、下記のような話を聞いた時、どんな風にインプットすることができるでしょうか?
複数の社名や数字が出てくる内容を箇条書きでメモするとこんな感じでしょう。
だいぶ分かりやすくはなりましたが、話を聞きながらメモをしていると、重複する言葉が出てきたり、同じ会社のことなのにまとめて書けなかったりと、少し気になるところがあります。
では、図解思考でインプットした場合はどうなるでしょうか?
商品の流れや相手の存在、不明なところなどを一目で見ることができ、分かりやすくなりましたね。図解思考はあくまでも簡易な図で問題ないので、相手の話を聞きながらでもこのようなメモを取ることが可能です。
図解思考のメリット
図解思考の導入にはいくつかのメリットがあります。
情報をスピーディーにインプットできる
図でメモを取る場合、短いテキストや矢印を使用するため、文字情報を記載する箇条書きメモなどに比べて、短いスピードでインプットできるのが、図解思考のメリットの一つです。先ほどの例を見てみると、箇条書きの場合、何度も主語にあたる部分を書かなければいけませんが、図解思考を取り入れたメモはこのような重複がありません。
情報の抜け・漏れに気が付きやすい
図解思考のメモの特徴に、情報を可視化できる、つまりパッと見た時に相関関係が見やすいという点があります。このメリットは、情報を理解するために必要なピースのうち、足りていないものを発見しやすいということにつながります。
先ほどの例で言うと、C社の“?”の部分ですね。箇条書きの場合、最初から最後まで読み、自分の頭の中でもう一度整理し……というプロセスが発生しますが、図解思考で記したメモは一目で情報の抜け・漏れを見つけることができます。
アウトプットがしやすい
ここからはアウトプットする場合を考えていきましょう。もし仮に前述した取引先との商談内容を上司に報告する必要がある場合、箇条書きメモと図解思考メモのどちらが伝わりやすいでしょうか?おそらく多くの人は図解思考メモを選択するでしょう。箇条書きの場合、そのまま出すには不向きで、もう一度、情報を整理した資料を作成する必要があります。
一方、図解思考メモは、そのまま上司に提出しても問題なさそうです。特に社会に出たばかりの新入社員の方は、ありとあらゆるシーンで上司や先輩への報告が必要です。そんな時、図解思考を生かしたメモ取りができていると、とても便利だと思います。
ミスコミュニケーションを起こしづらい
アウトプットに関してもう1点メリットをあげるとすると、図解思考でのアウトプットは、その他のアウトプット形式に比べ、発信者と受信者の間でのミスコミュニケーションが起こりづらいという点があります。文字情報あるいは口頭のみで伝えた情報は、受信者の受け取り方により変化する可能性がありますが、図の場合、そのようなミスコミュニケーションが起きづらいのです。
ちなみに、図解思考は言語が異なる相手とのコミュニケーションにも有効だと考えられます。日本語のメモを外国の人に見せてもすぐに理解してもらうのは難しいかもしれませんが、簡単な図と単語程度で成立する図解思考メモなら、双方の言語能力に関わらず、直感的に理解することが可能です。
トレーニングで図解思考を手に入れよう
ここまで図解思考について解説してきました。最後にお伝えするのは、図解思考の取り入れ方です。自分で実践してみたいという方には次のような方法をおすすめします。
・打ち合わせ後にその内容を図に書き出してみる
・小説などの登場人物相関図を書き出してみる
・会議や打ち合わせ中のメモのうち、分かりやすい部分からその場で図解化する
図解思考に慣れていない状況でいきなりリアルタイムでの図解思考メモにチャレンジするのはハードルが高いので、まずは打ち合わせ後や自分がすでに知っている物語といった、一度情報を入手しているものを図にして書き出してみましょう。それを何度か繰り返すうちに、メモの取り方のコツがつかめてくるでしょう。
その後、会議や打ち合わせの席でのリアルタイムの図解思考メモ書きにステップアップしてください。その際は“必ずすべて図にしなければ”と意気込みすぎないこと。文字情報と組み合わせる形で、取り入れやすいところからスタートすればOKです。
自分で実践するのは不安がある、あるいは社内の多数のメンバーに一度にレクチャーしたいというご要望がある場合、図解思考を習得するためのアドバイスや研修についてお話させていただきます。
ぜひ、お気軽に弊社にお問い合わせください。