2022年4月から中小企業に対しても施行されたパワハラ防止法。
この法律では、企業側の体制整備に加え、パワハラの方針を明確化して、労働者に周知・啓発することなどが義務付けられています。
最近はその一環として、社内でパワハラに対する研修を実施する中小企業が増えています。
「大企業ならまだしも、中小企業で研修なんて……」と消極的な姿勢を示していては、企業イメージの低下につながりかねません。
そこで今回は、パワハラなどのハラスメントに対する研修を行う重要性や実施する上での注意点などを解説します。
パワハラ防止法とは
まずはパワハラ防止法について、簡単におさらいしておきましょう。
正式名称を改正労働施策総合推進法というこの法律は、2019年5月に成立、2020年から大企業に対して、2022年4月からは中小企業に対しても施行されました。
パワハラ防止法ではパワハラの定義や類型、企業側がとるべき義務についても示されています。
その1つが、企業が自身の方針を明確にし、労働者に周知・啓発することです。
ハラスメント研修とは
パワハラをしない、させない企業風土を醸成するため、多くの企業が導入しているのがハラスメント研修です。
何がハラスメントに該当するのか、ハラスメントが発生することでどんなリスクがあるのかといったことを学ぶことで、ハラスメントに対する正しい知識を身に着けることができます。
ハラスメント研修のポイント① 階層別研修
ハラスメント研修を導入する際は、できる限り全従業員を対象に実施することを推奨しています。
さらに、可能であれば、階層別で研修を行うことが望ましいでしょう。
具体的には、管理職向けと一般社員向けです。
ハラスメントとは何かという基本的な内容は全従業員に必要になります。
さらに管理職向けのハラスメント研修では、万が一ハラスメントが発生した場合の対応策や、相談環境の作り方といった点に言及し、管理職としての対応を学ぶことが欠かせません。
そのため、階層別で研修の内容を変えて実施することをお勧めします。
ハラスメント研修のポイント② 具体例を交えた研修
ハラスメント研修の実施を検討されている方から時々聞かれるのが
「結局、これがハラスメントだと言われたら、すべてハラスメントになってしまう」
「この人なら良いけど、この人だとハラスメントというような扱いになってしまう」
といったお悩みです。
このような状況では、業務上必要な注意や指導を適切に行うことも難しくなり、組織運営に支障をきたしてしまいます。
そこで推奨しているのが、具体例を多く取り入れた研修の実施です。
過去に起きたハラスメントをしっかりと分析する、ハラスメントには当たらない事例を学ぶことで、企業として、ハラスメントをどう捉えるのかの指針を示しやすくなります。
ハラスメント研修はオンラインでも良いのか?
昨今、働き方改革などに伴い、オンラインでの研修も大幅に増加しています。
ハラスメントのようなデリケートな内容を扱う研修も、もちろんオンラインで実施することが可能です。
ハラスメント研修はできるだけすべての従業員に受講してもらいたいものですので、オンライン開催にすることで参加のハードルを下げるというメリットもあります。
また、アーカイブ動画を作成し、定期的に従業員に向けた周知・啓発が行えるという点もメリットの1つでしょう。
パワハラ防止法が中小企業に対しても施行されてまもなく半年。
企業側の義務が示されており、体制整備や対応を進めている企業も多いことでしょう。
今回は義務対応の1つとして導入が増えているハラスメント研修についてお話させていただきました。
弊社ではオフライン、オンライン、ハイブリッドなどさまざまな形式でハラスメント研修を行っています。
他社の事例などを交えた研修で、ハラスメントに対する危機意識を定着させ、ハラスメントが発生しない組織風土を醸成するお手伝いをさせていただきます。
ご興味をお持ちになった方はぜひ、お問い合わせください。