暖かい日も増え、まもなく春本番。
3月は卒業や別れのシーズンと言われることもありますが、私はいつも、新しい年度である4月を気持ちよくスタートするための準備の月ととらえています。4月に新入社員を迎える多くの企業にとっても、3月は大切な準備期間になります。
ところで、今年の新入社員向けの研修はどんな形で行う予定ですか?
従来は対面式で全員を集めて行っていた研修も、コロナの流行とともに、さまざまなスタイルに変化しています。オンラインで実施するという会社も多いのではないでしょうか。
オンライン研修というと、講師の話を聞く受動的なスタイルをイメージされる方もいるかもしれませんが、現在はオンラインでも主体的に学習をしていくことが求められている時代です。
そこで今回は、コロナ禍にあっても根強い人気を持つ、アクティブラーニングについてお話させていただきます。
アクティブラーニングとは
アクティブラーニングは2010年代前半の教育現場で採り入れられるようになった教育手法の一つで、“主体的・対話的で深い学び”と言われることもあります。一言で言えば、座学で教師の話を聞く学習スタイルではなく、主体的に、能動的に学んでいくスタイルのこと。
21世紀に入り、知識をたくさん詰め込んだ人材ではなく、積極的でコミュニケーション能力の高い人材の重要性が叫ばれるようになったことから、学校教育の場でも、グループワークや体験学習、ディスカッションといったアクティブラーニングのスタイルを採り入れる授業が増えてきました。
主体的で能動的な学びは学校教育の場だけに限ったことではありません。現在は人材教育においてもアクティブラーニングの手法が主流となっています。
では、人材教育の場でのアクティブラーニングにはどんな利点があるのでしょうか。
アクティブラーニングの
メリット
・主体性、積極性のある人材を育てられる
・考える力や発想力を鍛えられる
・問題解決能力の向上
・コミュニケーション能力の向上
・早期戦力化
従来の座学では、講師の話を “しっかりと聞く” “記憶する” ことが大切でしたが、アクティブラーニングでは自分で考えたり、自分で発言をしたりする能力が求められます。
結果として、積極性や考える力、問題を解決する力、他者との関係性作りを進めるためのコミュニケーションスキルなどが向上します。これは今、企業が新入・若手社員に求めることと合致しています。
4月に行われる新入社員研修も、例えオンライン形式での開催であっても、グループワークやディスカッションをふんだんに取り入れたアクティブラーニングを意識した内容にすることがポイントです。
また、実際に具体的な業務についてのワークを行ったり、ディスカッションをしたりすることで、新入・若手社員が現場で即戦力として実働しやすくなるという点も、アクティブラーニングのメリットだと言われています。
アクティブラーニングの
デメリット
ここまでお読みいただいた方にはアクティブラーニングのメリットは十分に理解していただけたことでしょう。ただ、どんなもの事にも良い面と悪い面があります。
アクティブラーニングのデメリットとしては以下のような点が考えられます。
・時間がかかる
・評価がしづらい
・主体的でない受講者が一定数存在する
・講師側のスキルが求められる
一つ目のデメリットは時間がかかるということ。講師が一方的に話す座学形式に比べ、参加者に考えさせたり、参加者同士で議論を深めさせたりする時間が必要なアクティブラーニングは研修そのものが長時間になりやすいものです。
二つ目のデメリットは、考える力やアイデア、コミュニケーションといった数値化しづらい曖昧なものを身に付ける研修であることから、成果を評価しづらいという点があります。しかし、企業が研修を行う際には、必ず何かしらの評価が必要な場合も多いですよね。
三つ目のデメリットは、受講者の中に一定数は“冷めた感じ”の人が存在してしまうこと。これは致し方のないこととはいえ、アクティブラーニングを用いた研修を行う上では、他の受講者にも悪影響を及ぼしかねません。
そして、上述したデメリットをなくすために必要なのが、アクティブラーニングを行う際の講師側のスキルになります。社内に人材教育のスペシャリストがいる場合を除き、アクティブラーニングを上手く回せる講師を確保することは難しく、これが四つ目のデメリットになります。
逆に捉えると、アクティブラーニングを理解し、きちんと実践できる講師がいれば、先の3つのデメリットは解消され、正しい方向性でのアクティブラーニング研修を行うことができます。
プロ講師による
アクティブラーニング
そこで弊社では、長年人材教育に携わる講師によるアクティブラーニング研修や、研修へのアドバイスを行っています。この春の新入社員研修についてお悩みの方はぜひお気軽にご相談ください。