経営者・リーダーが知っておきたい、VUCA時代を生き抜くためにすべきこと

これまでとは世界が大きく変化した2020年。
2021年を迎えるにあたり、新年の抱負も、例年とは異なったものとなる経営者・リーダーの方も多いことでしょう。“先を見据えた経営” “昨年実績を超える売上計画” “事業の拡大や拡張”……従来であれば、前年の結果を踏まえて、さらなる発展を求めるような新年の抱負を立てていた方も、2021年の新年は、さまざまな思いを巡らせていらっしゃるかもしれません。

世界は明日、どうなっているのか予想がつかない。

そんな状況を表すビジネス用語にVUCA(ブーカ)というワードがあります。VUCAとは下記4つの言葉の頭文字を組み合わせたもので、1990年代後半、アメリカで軍事用語として使われるようになり、2010年代からビジネス用語としても用いられるようになった言葉です。

VUCA(ブーカ)とは?

  • Volatility(変動性)
  • Uncertainty(不確実性)
  • Complexity(複雑性)
  • Ambiguity(曖昧性)

イノベーションやインフラの急激な革新による変化、今回のコロナウィルス世界的流行のような突発的な出来事に端を発するクライアントニーズの急速な転換など、さまざまなものが容易に変わりやすい“変動性”。地震や災害といった天災も含め、先の見通しを立てづらい“不確実性”。一つの組織や単位で物事を完結させることは不可能といってもよい現代の“複雑性”。そして、問題に対する明確な答えを見つけづらい“曖昧性”

まさに現代は“この先どうなるのか予測を立てることが非常に難しい” VUCA時代の真っただ中にあります。

経営者・リーダーの方の目線で考えると、VUCA時代は大変に困難な時代でしょう。“何が起こるか誰にも分からないから、なすがままにしておこう”というわけにはもちろんいきませんし、一方で、“これが正解だから突き進もう”という強いメッセージを発しづらい状況に置かれます。では、VUCA時代に対応する方法は存在していないのでしょうか。

VUCA時代に対応する方法

そこで考えられるのが、こんな時代だからこそ、組織で働く人たちの持つ能力、パフォーマンスに今一度注目をし、見直してみること。各々のアイデアやこれまで身に着けてきた経験、得意分野の情報収集能力を最大限に発揮してもらうことで、VUCA時代の対処に最も必要な現状を見極め、現状に適応するための変化を遂げるパワーを組織にもたらすことができるのです。

実はVUCAにはその対処法の一つとされている理論があり、その中で最も重要なのが、データや過去の経験、新しい情報、文化的な伝統などに基づく判断をするための材料を複合的に認識することだと言われています。組織で働くさまざまな人材はまさにそれらを一人ひとりが持ち合わせている“生のデータベース”のような存在。その存在を活かすことこそ、VUCA時代を生き抜くために必要なステップなのです。

VUCA時代の人材育成

一方で、多くの経営者・リーダーの方にとって“人”はつねに大きな課題の一つになっています。仕事に対する部下の価値観が分からない。どうしたら高いパフォーマンスをあげてくれるのか分からない。せっかく育てても、すぐに離職してしまう……。こういった悩みを持つ経営者・リーダーの方も多いことでしょう。組織には幅広い世代の、幅広い価値観を持つ人が属しており、まさにVUCAが示す“複雑性”を体現している場。また、VUCA時代の“不確実性”が人材育成の分野に及んでしまっては、経営に直結する危機を招きかねません。

ここで一つ、提案したいことがあります。

さまざまなことの予想が困難なVUCA時代だからこそ、もう一度、部下やメンバーたちの教育を一から見直してみませんか。自分たちではすでに手を尽くしているが、結果が出ない。そもそも教育の仕方が分からない。このような場合、思い切って、外部のプロの手を借りるというのも一つの方法です。

組織の中のことは組織に属している人間が一番分かっている“はずだ”という思い込みを捨て、新しい風を取り入れる。あるいは、ほんの少しそよ風を吹かせるだけでも、組織は大きく変わっていく可能性を秘めていますし、この変化こそが、VUCA時代への適応に最も必要な一手なのです。

また、人材教育の分野においては、日々新たな考え方や手法が生まれており、組織内だけでその知識やノウハウをブラッシュアップしていくことにも限界があります。いきなり組織全体を改革するのに抵抗がある場合、まずは経営者・リーダーの方が率先して、外部のレクチャーを受けてみることも、VUCA時代に対応する第一歩になることでしょう。

激動の2020年を経て、どんな新しい変化が起きるのか不確実で曖昧なVUCA2021年がいよいよ始まります。これまでの考え方ややり方がまったく変わってしまう可能性もある、新しい一年を迎えるにあたり、改めて初心に帰り、組織の根幹である人材教育に目を向けることで、どんな変化や突発的な出来事にも対応できる強い組織作りを目指してみましょう。

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