今、多くの業界で労働力不足が課題になっています。
少子高齢化の一途をたどる日本では、当然の課題です。
それと同時に、日頃お話をさせていただく企業の経営者層の方たちからは「若手社員がすぐに辞めていく」というお悩みもよくうかがいます。
労働力の確保が難しい中、せっかく入社してくれた若手社員を辞めさせないために、企業側はどんな努力をすべきなのでしょうか。
離職の理由を把握していますか
若手社員が辞めていくことに悩む経営層の方にまずしていただきたいことは、離職の理由を知ることです。
普段お話をさせていただいている際、「ではなぜ若手社員が辞めていくのでしょうか」とたずねると、「理由はわからない」と回答される方が一定数いらっしゃいます。
これは例えれば、“パソコンが壊れた”と言っている状態です。
パソコンを修理するためには“パソコンのどこが壊れているのか”を知る必要があります。
若手社員が辞めていくという問題を解消するためには、どこに問題が発生しているのかを把握することが欠かせません。
フットワーク軽く対応できているか
以前、ある企業の方とお話をしていた際、こんなエピソードがありました。
その企業では離職者が特定の部署で頻出している状態でした。
そこで思い切って、若手社員はその部署に配属しない方針を採用したところ、3年間離職者が出なくなったそうです。
このように、フットワーク軽く対応できる企業は、残念ながら多くはないでしょう。
しかし、若手社員が辞めていくという問題を解消するためには、これくらい大胆に、速やかに対応していくことが必要です。
上司と合わない、業務内容が合わないといった離職理由であれば、配置転換という方法を採ることができます。
経営者層の方々は今一度、自身の会社がフットワーク軽く対応できているかを見直してください。
若手社員“ならでは”をどんどん取り入れる
若手社員の中には「会社が古臭い」という理由で辞めていく人もいます。
いまだに紙をベースにしたやり取りをしていたり、書類は手書きが必須だったり……。
問題はデジタル化できていないことだけではなく、企業が新しいことを取り入れられない社風を持っていることにあります。
そのような場合、思い切って若手社員に任せてしまうというのも1つの手です。
何と言っても、今の若者はデジタルネイティブ。
我々世代では考えつかないようなアイデアを持っているかもしれません。
また、このような経験を通して、若手社員は会社での存在意義を見出し、仕事の楽しさを感じられるでしょう。
今回は若手社員が辞めていくことに対して、企業ができることを考えてみました。
今後も加速するであろう労働力不足に対応するためにも、今ここで自社の在り方を考え直してみてはいかがでしょうか。