昔も今も変わらず、多くの“上司”を悩ませるのは、部下の指導・教育です。
世代間ギャップはいつの時代にも存在するものではありますが、特に、Z世代とのギャップに悩む上司は多いようです。
では、Z世代にはどのように接し、どのように仕事の仕方を教えていくべきなのか。
今回はZ世代の部下を持った方のために考えてみたいと思います。
Z世代は“共感”と“コスパ・タイパ”の世代
まずは私が考えるZ世代の特徴をお話します。それは、共感と、コスパ・タイパです。
一時期、最近の若者は“承認”がキーワードだという話が聞かれました。たしかに、SNSなどでのやり取りを踏まえると、若者の承認欲求は他の世代と比べ、強いと言えるでしょう。
しかし、Z世代は承認を超え、“共感”を求める世代へと進化しています。
共感とは何か?
仕事上での部下とのやり取りで言えば、「よくがんばっているね」と努力を承認するだけではなく、「あなたの考え方に賛同するよ」「私も、同じようにするだろうね」と、部下の考えや行動に同意していることを示すことこそ、共感です。
そしてもう1つ、Z世代のキーワードになるのが、コスパ・タイパ。
コストパフォーマンスやタイムパフォーマンスを重視するのも、彼らならではの特徴でしょう。
一見無駄そうに見えることでも、かつては「上司が言うから」「みんなやっているから」「これがルールだから」という理由で疑問視せず、やってきた上司世代にとっては“当たり前”のことでも、Z世代は見逃してはくれません。
「無駄なことをさせられている」「意味がないことをなぜしなければいけないのか」、彼らがそう感じてしまえば、その行動はパフォーマンスに合わないことと認識され、ひいては仕事そのものにも拒否感を持たれてしまうのです。
Z世代の部下にどう仕事を教えるのが正解か
しかし、会社は会社、仕事は仕事。Z世代の登場にあわせて、すぐさま大きな変化を遂げることは難しいでしょう。
では、Z世代を部下に持つ上司は、彼らにどんな風に仕事を教えていけば良いのでしょうか。そのポイントは、先述した2つの特徴にあります。
共感を求めるZ世代のためには、仕事上のさまざまなポイントで、共感を示しながら、指導をしていくことが大切です。
「あなたのやっていることは正解だよ」「上司も(会社も)あなたの考えに賛成しているよ」ということを適宜、言葉や姿勢で伝えていくことを心がけましょう。
残念ながら、かつてのような「言わなくても分かるだろう」「背中を見て覚えろ」というようなコミュニケーションは成立しません。
上司側がきちんと、丁寧な意思表示をしていくことこそ、Z世代の部下が仕事を覚えていくプロセスで肝要なことなのです。
意味のないことに意味を持たせるのが上司の仕事
もう1つのキーワード“コスパ・タイパ”意識の強いZ世代は、無駄なことを嫌います。
しかし、これもまた世の常、仕事には全て意味があるわけではありません。習慣として続いていることや、事実“無駄だよな”と誰もが思っている業務も存在しています。
では、そのような業務をどうZ世代の部下に引き継いでいくのか。そのポイントは、意味付けにあります。
Z世代に“無駄だ”と思わせない、意味を見つけ、説明をするのです。
例えば、なぜ若手社員は朝一番に来て、出社する人に挨拶をしなければいけないのか。あなたはその理由を考えたことがありますか。ただの“慣習”ではなく、どうZ世代の部下に説明するかを考えてみてください。
私であれば、「朝早く来て、出社する人たちに挨拶をすることで、顔を覚えることができる、コミュニケーションの第一歩をスムーズに始められる」という理由を説明するでしょう。極端に言えば、意味のないことに意味を持たせるのが、Z世代を部下に持つ上司の仕事なのです。
今回は、Z世代にはどのように接し、どのように仕事の仕方を教えていくべきなのかを考えてみました。
皆さんもぜひ、今日から参考にしてみてください。
最後に、出版予定の書籍についてご紹介させてください。
10月24日に『新しい教え方の教科書 Z世代の部下を持ったら読む本』を出版します。
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