今後、企業の主戦力となっていくZ世代の若者たち。
彼らをいかに成長させていくかが、企業の成長とも大きく関わってきます。
一方で、仕事に対し、やる気がないように見える若者もいるでしょう。
では、やる気がないZ世代の“やる気スイッチ”を入れる方法はあるのでしょうか。
今回は、Z世代にやる気を出させるためにすべきことを考えていきます
ゴールは見えている?
まず、改めて確認をしておきたいのは、Z世代を指導・教育する立場の人の指示の出し方です。
多くの人は、自分では“分かっている”ものについて指示を出しますよね?
例えば、「次の提案の資料をつくっておいて」と頼んだ場合、頼んだ本人にはそのイメージができています。
しかし、頼まれた側はどうでしょうか。
・資料は何ページくらい?
・提案の内容は?
このような仔細がきちんと伝えられていない指示では、Z世代の若者たちは業務のゴールをイメージすることができません。
ゴールが見えない状態が続けば、当然やる気はなくなります。
「Z世代は仕事のやる気がない」と言う前に一度、指導・教育する立場の人の指示の出し方を見直してみましょう。
Z世代は成長を求めているのに……
次に考えたいのは、本当はやる気があるのに、それを発揮する場面を与えられていない可能性はないかということ。
「若い子に負担の大きい仕事をさせるのはかわいそう」とか「ハードな業務を任せて辞めてしまっては困る」といった“思い込み”から、Z世代の若者にやりがいのある業務を任せず、却ってやる気を削いでしまっている場合があります。
本来、Z世代は自分の成長を重視する世代です。
簡単な業務ばかりを与えられ、成長の機会がないと感じれば、やる気がなくなるのも当然。
Z世代を指導・教育する側は、1on1などを通じ、彼らがどのような方向に成長したいと考えているのかをしっかりと把握し、それに見合った業務を任せることが必要なのです。
雑談を通じて見守ることの重要性
最後に、日頃、さまざまな企業の方とお話をすると、「Z世代はプライベートに踏み込んでほしくないと聞くので、あまりプライベートなことを聞かないようにしている」と仰ることがあります。
しかし、本当にそうでしょうか?
私個人としては、人と人とが共に働く場において、まったくプライベートを知らないというのは、あまり健全ではないように思います。
もちろん終業後の飲み会や、休日に一緒に外出しろと言っているわけではありません。
業務と業務の間の、たわいもない雑談でも、十分にコミュニケーションはとれるはずです。
雑談の中で、やる気がない理由がわかることもありますし、モチベーションにつながるものを聞き出すこともできます。
また、私が雑談を重視するのには、もう1つ理由があります。
それはZ世代を指導・教育する側からZ世代へのメッセージ発信の場となるからです。
「あなたのことを見守っているよ」「一緒に成長していこう」という思いを伝えることで、Z世代の若者の仕事に対する考え方を醸成していくようにしましょう。