皆さん、こんにちは。今回のブログのテーマは、社会人としての基礎を習得する新人研修の実際と名付けてみました。これまで多くの企業の新人研修を担当させていただいた経験から、新人研修の大切さや組み立て方のコツ、個人的な感想など、ざっくばらんにお伝えしたいと思います。
社会人第一歩! 新人研修でその先が決まる!?
早速ですが、皆さんは自身が受けた新人研修の内容を今でも覚えていますか?
会社の概要を学んだ場だったとか、“そういえばどこかに集められて何か話を聞いたような……”だったとか、人によってさまざまな記憶があることでしょう。では今、仕事をする上で時々思い出す上司の仕事のスタイルはありますか? この質問は意外に多くの人が心当たりがあるのではないでしょうか。
特に、最初の上司から学んだことは、今でも仕事に活かされているというエピソードはよく聞く話です。ちなみにこれも一種の新人研修、OJTだと言えるでしょう。新人研修は何も座学だけではありません。社会人としての在り方、企業人としての考え方といった抽象的なことから、実務の行い方まで、多数のことを新人は“研修”を通して学んでいきます。
そしてそれが、社会人としての基礎になり、将来的なキャリアプランにも大きく影響してくるのです。
今どきの新人研修事情
かつて新人研修というと、前述したように、やはり集団での座学が中心でした。しかし今は違います。研修スタイルもオンライン、オフライン、それらを掛け合わせたハイブリッド形式など、多種多様です。
研修内容も、座学よりは、ロールプレイイングを取り入れたり、ワークを組み込んだり、ゲーム要素を加えたりと、かつてよりも主体的に参加できるものが増えています。実際に私が新人研修を担当する場合も、ほとんどのプログラムに新人同士でのコミュニケーションが必要な課題を入れたり、発表の場を設けたりと、アクションのある内容にすることを心掛けています。
その理由は簡単! その方が新人たちの記憶に残りやすいからなのです。せっかく研修を受けるのであれば、何か一つでも“お土産”を持って帰ってもらいたいというわけですね。
今どきの若者は目的とゴールを重視!?
さて、新人研修を多く受け持たせていただくと必ず聞く話が“最近の若者は冷めている……”といった経営者や研修担当者の声です。
でも、本当にそうでしょうか? 実際私が新人研修をした若者の中には、それから数年経っても連絡をくれ、仕事に熱心に向き合っている子もいます。これこそ研修担当冥利に尽きるのですが、とはいえやはり、冷めた若者がいることも事実です。
以前、1on1のお手伝いをさせていただいた企業の若手社員と話をしていたら、こんな言葉がありました。“何のための新人研修で、どうなってほしいのかが見えなかった”。かつての新人研修、ひいては企業人としての働き方は “会社がやれと言っている” “上司の指示だから、こうする” というように、“命令”重視。そこに目的やゴールがあるかどうかは問われませんでした。
しかし、今どきの若者は、何のためにやっていることなのか、どういう形にすることを求められているのかを非常に大切にしている印象です。そして個人的に言わせていただけば、このような考え方こそ本来大切にされるべきことだと思っています。社会人として働くうえで、目的とゴールが見えていなければ、モチベーションの維持も難しくなります。
話を新人研修に戻しましょう。先ほど何か一つでも“お土産”を……と書きましたが、これがまさにゴール。私が新人研修をする際には必ず、今日なぜこの研修をするのか、企業が社員にどうなってほしいのか、今日この場で学んでいってほしいことを言語化して伝えるようにしています。
この方法には一つ、大きなメリットがあります。それは、このやり方で新人研修を受けた若者は次の世代にも同じように教育ができること。こうして社内での新人教育のサイクルを好循環させていくことにつながるのです。
逆に言えば、命令形式の研修を続けている企業は、よほど革新的な改革者が現れない限り、いつまでもそのスタイルのまま、“最近の若者は冷めている……”と繰り返すことになります。新人研修は新人を育てる第一歩の場でもあり、企業自身が育つ可能性を育む場でもあるのです。
ということで今回は普段のブログよりもざっくばらんに、普段新人研修をさせていただいている中で感じたことをお話させていただきました。これからも皆様のお役に立てるような情報を発信していきますので、ぜひまたお読みください。ありがとうございました。