2021年ももう年末の足音がすぐそこまで聞こえてくるような季節を迎えましたね。あっという間に2022年の年明け、そして2022年度が見えてきます。
研修の世界ではこの時期から、2022年度の新入社員のための新人研修カリキュラムのご相談を受けることが増えてきます。新入社員向けの研修は、彼らがその後社会人としてどんな風に成長していくかを決めると言っても過言ではない、大切な機会。
今回は、新人研修カリキュラムの内容や、研修の“面白さ”の重要性について、お話したいと思います。
企業も新入社員も求める! 新人研修が“面白い”とは?
企業の研修担当者の多くが頭を抱えるのが、研修の内容をどうするかということ。学んでほしいことを詰め込みすぎては受講者が疲弊してしまうし、かといって身に残らないような講演を聞かせるだけでは意味を成さず……と、悩まれている方のお話をよく聞きます。
あれこれと考えられた結果、皆さんがおっしゃるのが「面白い研修をお願いします」!
これは難問です(笑)。
一方、過去に新入社員研修を受けてきた若手社員たちにその思い出を聞いてみると
「緊張したけど、会社の雰囲気がよく分かった」
「いよいよ社会人になるという気がした」
「講師の話が面白くて、あっという間だった」
といったポジティブなものから、
「ともかく内容が面白くなかった……」
「何の役に立つのか分からなかった……」
というネガティブなものまでさまざま。
ボキャブラリーの問題かもしれませんが、内容が “面白かった” “面白くなかった” という感想が大多数を占めている印象です。では、研修担当者も研修受講者も求める“面白い”内容とはどんなものなのでしょうか?
“面白い”の考察① 相互コミュニケーションや動きがポイント
普段、多くの研修をさせていただく中で、私なりの“面白い”について常に考えて取り組んでいるつもりです。その一つが、研修に自発的に参加してもらう工夫をすること。
研修というと、座学で講師の話を聞くものと思われるかもしれませんが、昨今の研修はワークやゲームを取り入れた、相互コミュニケーションや動きのあるスタイルがメジャーになっています。私自身の研修も、基本的には必ず、私と受講者、受講者間という2種類の相互コミュニケーションを取り入れていますし、時間が許せば、受講者に実践に近いワークを行ってもらう時間も用意しています。
人はなにかを受動的に聞くだけではどうしても飽きてしまう。そこに、自分が動く必要があるプログラムがあると、研修が一気に“自分事”になるのです。“面白さ”はそこから生まれるのではないでしょうか。そしてもう一つ、私が意識している“面白い”についてもお伝えしていきます。
“面白い”の考察② 笑いを取ることが本当の“面白い”ではない
先ほどは私自身が研修をする立場で考えている“面白い”内容についてお伝えしました。次は、私が研修を聞く立場での経験談をお話させていただきます。
職業柄、多くの講演や研修を聞かせていただきますが、“うわ、これは面白い!”と感激することもしばしばです。その“面白い”には、私なりにいくつかの分類があります。一つは、お笑い芸人さんのようにたくさん笑いを取って、場を温めることができる面白さです。
このパターンの場合、話し方の参考にさせていただこうと思うことが多いのですが、研修としての学びに直結しているかという点はまた別ではないかと感じています。理想は話も面白くて、中身もすぐに参考にできるという形ですが、前者に重点が置かれすぎるとどうしても“あぁ、面白かった。で、何の研修だったっけ?”となってしまう。
一方で、話が特別上手いわけではないけども“面白かったな”という印象が残る講演や研修もあります。それは、私自身が学びたかったことを的確に、適切なボリュームで学べた場合です。
研修に申し込む際、人は頭の中で “こんなことを学びたいな” “こういうところが明らかになるとうれしいな” と思い描くもの。それがきちんと満たされた場合にも、“面白かった”という満足感を得ることができるのではないでしょうか。
新入社員研修に必要なポイント
新入社員のための研修カリキュラムの内容に話を戻しましょう。もちろん前者のような“面白さ”を否定するつもりはありません。しかし、本質的には後者のような、学びから感じる“面白さ”を体感させられる内容であることこそ、新人研修に必要なポイントです。
新人研修を行う理由は、彼らがこれから社会人として働いていこう、がんばろうというモチベーションにつなげること。そのためにも、ぜひ学びを意識した面白い内容の研修を用意してみてください。
新人研修の内容構築や見直しについてのご相談も随時受け付けております。
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