企業の人材育成に関するトピックをご紹介している本ブログですが、今回は「社外メンター」を取り上げます。
社外メンターとは、メンター制度における相談役(メンター)を社外の人物が務めることを指しています。
自社の社員の相談事を外の人にしても……と思われるかもしれませんが、社外メンターにはならではのメリットがあります。
では早速見ていきましょう。
社内メンター制度のメリットと課題
まずは一般的なメンター制度で採用されやすい社内メンターについてご説明します。
社内メンターは、自社内の先輩社員が、社員(メンティー)の相談役を務める制度です。
相談のしやすさを考え、直属の上司ではない、また可能であれば、業務上直接的なつながりがない社員同士を組み合わせるのが有効だとされています。
社内になんでも相談できる相手がいることで、人間関係が広がる、キャリアプランをイメージしやすくなる、不平不満が蓄積しにくくなるといったメリットがあります。
しかし、社内メンターにはいくつかの課題も考えられます。
その1つが、メンターの負担が大きいということ。
社内メンターを務めるのは人事部や教育担当といった専任ではなく、通常の業務を行っている“普通の”社員です。
彼らにメンターとしての知識をつけ、定期的にメンティーとの面談をしてもらうためには、多くの時間と労力が必要になります。
また、メンターはただの“仲良し”ではありません。
制度の目的をしっかりと理解し、メンティーを教育する意識を持たなければいけませんが、おそらく多くの企業でその下準備を行える体制は整っていないでしょう。
では、メンター制度のメリットを生かしつつ、課題を解消する方法はあるのでしょうか。
社外メンター導入のメリット
そこで挙げられるのが、今回のトピックである社外メンターです。
社外メンターであれば、業務量の調整や、制度導入のための教育の必要はありません。
しかし前述したように、自社の社員の相談事を外の人にしても……という不安を持つ方もいらっしゃるでしょう。
その点に関して言えば、社外の人だからこそ相談できることもあるというメリットが上回る場合が多いと思います。
特に社員の人数が少ない企業では、“悩みを打ち明けづらい” “本音を言うのが怖い”といった職場環境になりがちです。
その点、社外メンターであれば、会社への不平不満も含め、ざっくばらんな話ができるでしょう。
また、すでにメンターとしての経験を持つ人物であれば、人材育成の観点からも比較的短期で成果を上げることもできるかもしれません。
このように社外メンターには、社外の人物ならではのメリットがあります。
最後に私個人の考えをもう少しお伝えさせてください。
私が考えるメンター制度の理想形は、社外メンターから始めて、社内メンターが育成され、最終的には自発的にメンター制度が成熟していくというスタイルです。
社外のメンターと話をする中で、社員自身が自然にメンター制度を理解し、やがて後輩たちのメンターを務めることができるようになる。
自身のメンター経験を活かし、次の世代へメンター制度を浸透させていく。
制度が定着する = 制度の大切さを全員が理解した組織が出来上がる。
このような流れで、企業としての組織力がある状態を作り出すことができれば、最高の職場環境だと言えるでしょう。
今回は社外メンターについて取り上げました。
社外ならではのメリットを活かした制度導入をご検討の場合は、ぜひお声がけください。