人を育てる組織作りとは、どのようなものなのか?

先日、広島カープの前監督・緒方孝市さんの著書『赤の継承 カープ三連覇の軌跡』(光文社)を読みました。

今回はその本から学んだ、組織作りや人材育成についてお伝えしたいと思います。

広島東洋カープは2016年から2018年までセリーグ三連覇を果たしたプロ野球チーム。2015年から2019年まで広島カープを率いた緒方孝市前監督が自身の高校時代から監督時代を綴ったのが今回ご紹介する書籍です。

北宏志

なぜ今回のブログでこの書籍を取り上げたのか。それは、ここに人材教育に関連する大きなヒントがたくさん隠されているからです。

プロ野球は見る人を熱狂させます。“なんで打たんのや!” というヤジが名物の某関西寄り球団から、勝つことを当たり前とされるオレンジの球団まで、どんなチームにもファンがいて、彼らの日常にはプロ野球の勝敗が根付いています。

でも、そのチームを企業の組織として見たことはあるでしょうか? 冷静になってみれば、プロ野球チームも一つの企業、組織です。そんな視点から今回、緒方前監督の著書を読ませていただきました。

広島カープは、世間で言われている通り、脂の乗った選手を買うことができない球団です。長い時間をかけて、選手を育成していきます。そこに一つの広島の美学があります。基本的にカープは選手、そしてコーチや監督といったチームスタッフを自分たちで育てていくのです。

緒方前監督の著書を読んでいて気付いた一つのことは、“プレーヤーを育てるのと同時に、コーチ(=育成者)を育てていく” という考え方でした。日頃人材教育に携わっていると、“社員を今どう活躍させるか” という点に重きを置いている企業によく出会います。それはとても重要です、今、どう活躍するかは現在の売り上げに直結する問題です。

しかし、そこだけに目を向けていて良いのでしょうか? プレーヤーはやがて、当然、その旬を過ぎていきます。その時どんなポジションでどんなことができる人材になるのか。そこまで見据えた人材育成をしていく重要性を感じました。

目次

目標と役割、たしかにそれは違う

著書の中で緒方前監督は、役割について持論を展開しています。一人ひとりの選手、スタッフに役割を持たせることで、広島カープは組織として機能した。“勝ちます” “優勝します” は目標であり、役割ではない。人は “役割” を得ることで、自分が何をしたらよいかが分かる。塁に出ることが役割であり、失点してもいいから3つのアウトを取ることが役割である。人は “役割” が分かれば、それを突き詰めることができるのです。

企業の話に置き換えてみましょう。

“売り上げを上げろ”というのは目標です。そこにはプロセスがあります。たくさん電話アポをして可能性を広げる人もいれば、手にしたチャンスをきちんと売り上げにつなげるクローザーもいます。もしくは、売り上げをあげるためにリストを作った事務方さんもいれば、社員が日々安心して働ける環境を作った人もいるはずです。役割とはそういうことなのでしょう。

“あなたはトスアップをする人”
“あなたは環境整備をする人”
“あなたは3年後のために土台を作る人”

目標をチームで明確に共有していれば、そこに向かうため、各々がやるべきこと(=役割)もはっきりしてきます。

広島カープは、緒方前監督時代、徹底した情報の伝達を行っていました。役割を理解できているか、役割に沿って動けているか。監督自身が監督という “役割” を演じ、必要な時には出ていき、必要ではない時には任せるフォーメーションができていたのです。

組織作りの要は、指導者にあります。そして、ある意味では、指導者にはありません。指導者は組織を円滑に動かすことを求められ、動かなければ、自らの進退をかけるほどの責任を負います。一方、指導者に組織作りの根幹が担えるかというと、それは難しいのでは……と思います。

指導者には組織を作る上で欠かせない、右腕、あるいは手足が必要です。それをどう育てていくのか、広島カープはその原点を入団当初から見極めているのです。

組織を支えるものはなんなのか 

緒方前監督は、著書の中で常にトレーナーやコーチの存在意義について触れています。スコアラーについてもです。自球団の状況を知る、他球団の状況を知る。当たり前のように思われるかもしれませんが、“今、あなたの会社でできていますか?”と問われれば、多くの起業家が首をかしげるかもしれません。

三連覇はまぐれではない

今回、この著書を読んで感じたことは、あの広島カープの三連覇は “まぐれ” ではないということです。緒方前監督にはビジョンがあった。私たちが普段お手伝いをさせていただいている企業様にも当然 “ビジョン” はあります。ではそれを “役割” に落とせているのか?。その点が組織作りに欠かせない視点なのだと痛感しました。

今回、広島カープの前監督・緒方孝市氏の書籍を読み、人材教育、組織作りのヒントを得ることができました。ぜひ皆さまも読んでみてください。

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