今回取り上げるのは“クリティカルシンキング”です。
皆さんも一度は耳にしたことがあるのではないですか?
日本語では“批判的思考”と呼ばれるクリティカルシンキングは、さまざまな不確定要素に取り巻かれた現代でビジネスを進めるにあたり、不可欠な考え方だと言われています。
クリティカルシンキングとは
では早速、クリティカルシンキングについて考えていきましょう。
仮に、下記のようなお題を立ててみました。
●営業一課では5名のスタッフで売価100万円、コスト50万円の商品Aが1か月間で10個販売できた
●営業二課では3名のスタッフで売価300万円、コスト100万円の商品Bが1か月間で5個販売できた
皆さんはこの結果から、どんな判断をしますか?
・商品Aは利益が500万円、商品Bは利益が1,000万円なので、商品Bの販売に注力した方が良い
・人員の少ない営業二課の方がコストパフォーマンスが良い、あるいは一課の5名はコストパフォーマンスが悪い
結果だけを見ると、たしかにそのように思えますね。次月は商品Bに人員配置も含め、注力をすべきなのかもしれません。
ここで少しクリティカルシンキングの観点を取り入れてみましょう。
・商品A、Bの価格設定やコストは適切なのか
・3名のスタッフが一か月で商品販売が5個という実績は妥当なのか
・商品A、B以外に、実はもっと商品Cの需要があったのではないか
クリティカルシンキングは、事象に対し、“なぜ?” “どうして?” “本当にそれが正しいの?” という疑問をぶつけ、本質的で適正な回答を見つけ出していく考え方です。
批判的思考と訳されることから、ネガティブ面だけが着目されやすく、ただ批判をするだけのように思われる場合もありますが、どちらかと言えば “間違っているのではないか” と常に疑問を持つことだと、私はとらえています。
ロジカルシンキングとの違いは?
クリティカルシンキングについてお話をする際、もう一つの考え方としてよく挙がるのが、ロジカルシンキング(論理的思考)です。
ロジカルシンキングは論理に基づき、整合性を検証していく考え方なので、数値やデータといった根拠を基にする思考がメインになります。クリティカルシンキングとロジカルシンキング、どちらが良いのですか? と聞かれる方がいらっしゃいますが、この2つの考え方には優劣や相反はありません。
一つの事象に対する考え方のアプローチが異なるだけであり、どちらの考え方も取り入れることで、検証に “深みが増す” ととらえるのが良いのではないでしょうか。
クリティカルシンキングは生まれ持つ性質や性格なの?
さて、では皆さんも早速クリティカルシンキングを取り入れてみましょう!とお伝えすると、“思考は個人の生まれ持った性質や性格、経験によるものじゃないの?” というお声をいただくことがあります。
結論から言うと、それはNO! クリティカルシンキングをしようという意識付けをしていくことで、誰でも習得することが可能です。
まずは日々の一つひとつの事象に対し、“なぜだろう?” “どうしてだろう?” と疑問を持つクセをつけてみましょう。すべてのことに答えが出るわけではありませんが、少しずつクリティカルシンキングに近い考え方を体感することができますよ。
企業向けクリティカルシンキング研修は若手社員から始めよう
弊社では特に、若手社員に向けてのクリティカルシンキング導入研修を多数行わせていただいています。なぜ若手社員なのか?
それは新たな思考を取り入れる柔軟性があるうちに、クリティカルシンキングの考え方に触れることで、より早く習得することができるから。若手のうちに習得してしまえば、クリティカルシンキングがすぐに習慣化し、自然に物事の本質を見極めるコツをつかむことができるようになるというわけです。
もちろん、経営者やリーダー層の方や新入社員にとってもクリティカルシンキングは大切。会社全体での導入をお考えの場合も、ぜひお気軽にご相談ください。
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