若手社員のパフォーマンスが低下する要因
会社を盛り上げ、勢いをつけてくれる若手社員は企業にとって欠かせない存在です。新しいことに臆することなくチャレンジし、積極的に仕事に取り組んでくれる若手社員もいれば、もしかすると、少しパフォーマンスが下がっている若手社員もいるかもしれません。
パフォーマンスが下がる理由はさまざま。仕事に対する興味の低下や、やりがいを感じづらいといった仕事に直結する原因の場合もあれば、若者ならではのライフスタイルに起因する場合もあります。中でも、今、若者を中心に、仕事に対するパフォーマンスの低下の要因の一つとして取りざたされているものに、過度のソーシャルネットワーク(SNS)への依存があります。
Facebookやツイッター、Instagramといったソーシャルネットワークは情報を収集したり、発信したりする場という存在だけでなく、コミュニケーションの場であり、今や日常生活になくてはならない存在です。若手社員の多くは日常的にSNSに触れ、時に仕事にとって有益な情報をキャッチしたり、貴重な人的ネットワークにつながったりすることもあるでしょう。
SNSそのものが良くないわけではありません。一方、一度SNSをチェックし始めるとやめられない、他者がどのような投稿をしているのかが気にかかってしかたない、返信をしなければいけないという強迫観念にとらわれるといった状態になっている場合、これはSNS依存であり、SNSとの向き合い方を再考する必要があります。
SNS依存と仕事に対するパフォーマンスの低下にどんな関係があるのか、と思われるかもしれませんが、大いに関係しています。例えば、業務中もSNSが気になって、こっそり会社のパソコンでSNSのチェックをしてしまうというようなレベルになっていれば、明らかに仕事の生産性は低下、周りにも良くない影響を及ぼす可能性もあります。ではこのような状態の若手社員に、何かできるアドバイスはないのでしょうか。
それが“ソーシャルデトックス”の勧めです。
SNSによってもたらされるストレスを軽減することを目的としたソーシャルデトックスにはさまざまな取り入れ方があります。人によっては1か月間、一切のSNSを見ないといった極端なやり方をする場合もありますが、一般的には自分なりのSNSに対するルールを作る方法が取り入れやすいでしょう。
ここでいくつかルール作りの例を記します。
SNSに触れる時間を決める
ソーシャルデトックスの方法のうち、よく取り入れられているのが一日のうち、SNSをチェックする時間を決めるというもの。例えば、朝の通勤時間のみや、夜寝る前の30分のみといったように、日々のルーティーンにSNSに触れる時間を取り入れることで、無意識に長時間眺めるといった習慣を断ち切ることができます。完全にSNSから断絶することが難しい若手社員にも取り入れやすい方法でしょう。
SNSでのリアクションをやめる
SNSの醍醐味といえば、リアクション。いいね!を押したり、コメントを残したり、相手の投稿に対するリアクションをすることでSNS上でのコミュニケーションが活発になります。一方、“誰かが投稿していたら、必ずリアクションをしなければいけない”といったストレスになる場合もありますので、思い切って一切のリアクションをストップするという方法も、ソーシャルデトックスになります。
SNSでの発信をやめる
一方、自分からの発信をやめるというのも、一つの方法です。発信できるネタ探しに躍起になったり、他者が自分をどう見ているのかイメージが気になったりするようであれば、それはすでに過度のストレス状態ですので、一度、発信をやめ、真剣にソーシャルデトックスを検討してみるべきでしょう。
SNSを退会、アプリを削除する
これは少し手荒な方法です。簡単に目に触れる場所にSNSがある環境を強制的になくしてしまうことで、SNSに触れる時間を減らすことができます。複数のSNSを利用しているけども、実際に使っているのは一つか二つといった場合、利用頻度の少ないSNSから退会したり、スマホに入っているSNSアプリを削除したりという方法もオススメです。
このようにソーシャルデトックスにはいくつかの取り入れ方があります。特に長期休暇中はSNSに触れる時間がどうしても長くなりがちで、結果休み明けにSNS疲れした状態では、仕事で高いパフォーマンスを出すことはできません。若手社員の生産性の低下を懸念されている経営者・リーダーの方は、ソーシャルデトックスを取り入れるよう、勧めてみてはいかがでしょうか。
今回ご紹介したソーシャルデトックスはあくまでもパフォーマンス低下の一つの要因です。若手社員のパフォーマンス低下にはさまざまな原因が考えられますので、気になった方はぜひ一度、お声がけくださいませ。多面的な視野で、パフォーマンスを向上させるノウハウをおつたえさせていただきます。